脳神経外科のご案内


新任の挨拶

     2017年4月より土居浩部長の後任として、昭和大学脳神経外科より赴任しました和田です。私は1996年昭和大学を卒業し昭和大学脳神経外科に入局、1997年 より公立昭和病院(故 永田和哉先生)で脳血管障害の外科的治療を中心にトレーニングを受けました。2007年 から脳血管障害の外科的治療(脳動脈瘤クリッピング、バイパス術)でご高名な上山博康先生(旭川赤十字病院)のもとで2年間研鑽を積み、2012年から脳動脈瘤の外科的治療の第一人者である水谷徹 教授が昭和大学に赴任され、安全確実な手術治療のノウハウを学びました。また時代の変遷とともに、脳血管内治療の必要性を感じ、2015年から日本の脳血管内治療の第一人者である寺田友昭先生(昭和大学藤が丘病院教授)のもとで、脳血管内治療を学ばさせて頂きました。今後は今までの経験を踏まえ、昭和大学脳神経外科と連携して、最良の治療を提供していきたいと思います。

特色・専門領域

  • 脳神経外科とは、中枢神経(脳、脊髄)と一部の末梢神経疾患およびその付属器官(血管、骨、筋肉など)を含めた神経系全般の疾患の中で、主に外科的治療の対象となりうる疾患について診断・治療を行う医療分野です。当院の重点医療課題である「脳血管障害の急性期医療」は、神経内科と共同して24時間365日の救急体制をとっています。脳卒中患者さんに対して多職種による集学的な診療を行う一環として、平成15年10月より脳卒中専門病棟(Stroke Unit)を開設し、脳神経外科・神経内科・リハビリテーション科と合同でチーム医療を行っています。また急性期治療後、自宅退院できない患者さんには、病状や家庭の状況に応じて回復期リハビリテーション病院や療養型病院に転院して頂き、切れ目なく医療を受けられるよう、地域の病院と緊密に連携をとっています。
  • くも膜下出血や脳出血などの出血性疾患は脳神経外科、脳梗塞は神経内科が担当という体制をとっていますが、2017年5月から急性期脳主幹動脈閉塞症に対する血栓回収療法を開始し、今までtPAで効果が見られなかった急性期脳梗塞患者さんにも、積極的にカテーテルによる脳血管内治療を脳神経外科主導で行っています。

当科の特徴

・くも膜下出血や脳出血に対する緊急手術対応

・術中神経モニタリング、蛍光血管撮影(ICG)、手術用ナビゲーション等を駆使した安全で確実な手術の実施

・未破裂脳動脈瘤や内頚動脈狭窄症に対し手術と血管内治療を検討し、患者さんにとって最良の治療を提供

・来院1時間以内にt-PA投与可能な脳卒中患者受け入れ態勢

・緊急MRIによる早期の脳梗塞病型診断と治療方法の決定

・急性期脳主幹動脈閉塞に対する、カテーテルを用いた血栓回収療法

・リハビリテーション科スタッフによる脳卒中発症3日以内のリハビリ開始

主な対象疾患と治療法

【脳血管障害】

     
  1. 脳動脈瘤
     未破裂脳動脈瘤に対しては、動脈瘤の部位や大きさから破裂の危険性を説明し、治療方針を決定します。当院では長期成績の点からも開頭クリッピング術をお勧めしています。くも膜下出血を起こした破裂脳動脈瘤に対しては、開頭クリッピングとコイル塞栓術の両面を検討し、患者さんにとって良い結果が得られると考えられる治療を行います。
  2. 脳梗塞予防血行再建術
     脳梗塞発症、再発予防目的に、内頚動脈高度狭窄症に対する頚動脈内膜剥離術(CEA)や頸動脈ステント留置術(CAS)を行っています。脳血流検査で脳循環予備能を評価し、脳梗塞のリスクが高いと判断した症例にはバイパス手術を行います。
  3. 急性期脳主幹動脈閉塞に対する血栓回収療法
     急性期の脳梗塞は、治療までの時間が非常に重要で、血栓溶解療法(t-PA投与) は発症4.5時間以内に開始しなくてはなりません。しかし、t-PA投与の条件に当てはまらず適応外になってしまう患者さんやt-PA投与で効果が見られなかった患者さんの次の手段として、カテーテルを用いた血栓回収療法があります。この血栓回収療法は、発症後8時間以内で、脳主幹動脈閉塞の患者さんが対象で、カテーテルという細い管を大腿の血管から挿入し、頭の中の脳血管へ進め、血管を塞いでいる血栓を回収し、閉塞した脳血管を再開通させる方法です。当院でも来院から90分以内に血管の再開通が得られるよう体制を整え、良好な成績を得ています。
  4. 脳出血
     脳出血は、通常降圧療法などの保存的加療を行いますが、大きな脳出血などでは開頭血腫除去術を施行することがあります。また発症後数日経過した症例など、侵襲の少ない定位脳手術(CTガイド下定位的血腫吸引術)で血腫除去する場合もあります。

【脳腫瘍】

 特に良性脳腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫など)の治療に力を入れております。血流が豊富な腫瘍に対しては、術前に超選択的腫瘍血管塞栓術を行い、出血を最小限に抑えることを心掛けています。摘出手術の際には運動誘発電位(MEP)・体性感覚誘発電位(SEP)・聴性脳幹反応(ABR)・近赤外線脳酸素モニター(NIRS)等の術中電気生理学的モニタリングや、ナビゲーション、術中エコー、超音波吸引装置等を用いて、機能温存を目指した、安全で確実な摘出術を行います。悪性腫瘍に対しても、合併症を最小限に抑えつつ可能な限り摘出し、後療法(放射線化学療法)を行います。


【顔面痙攣・三叉神経痛に対する微小血管減圧術】

 顔面痙攣は、典型的には片側の瞼のピクツキからはじまり、頬のこわばり、口角のひきつれなどを併発するようになります。進行すると瞼が閉じたままになり、顔の片側が引きつれたような感じになってしまいます。これらの動きは自分の意志とは全く無関係におこり、ストレスや緊張などで誘発されることが多いと言われています。原因のほとんどは、頭蓋内で顔面神経(顔の筋肉を動かす神経)が脳から顔面筋に至る経路の中で、脳からの出口付近で血管に圧迫刺激され、常に興奮状態になっていることです。治療としては、ボトックスという毒素を直接顔に注射し、筋肉を麻痺させる方法がありますが、薬の効果が切れれば再発します。内服薬も現時点では有効なものはありません。根本的に治療するには、手術で原因となっている圧迫血管のループの形を変えて移動させ、顔面神経への圧迫を解除する必要があります。この手術は微小血管減圧術とよばれており、耳の後ろの頭蓋骨にコインの大きさ程度の穴をあけ、顕微鏡を使って行う手術です。
 三叉神経痛は、顔面や歯茎の激しい痛みです。喋ったり、ものを噛むと下あごから頬に激痛が走る。あるいは冷たい風にあたったり顔をさわると、おでこ、目の周り、口のまわりなどに限局して激しい痛みが走るなどの症状です。虫歯の痛みと区別が難しいので歯科を受診されて、三叉神経痛とわかることも多いです。さまざまな原因がありますが、顔面けいれん同様に三叉神経(顔の感覚を伝える神経)が、脳からの出口で血管に圧迫されて起こることがあります。 三叉神経痛にはテグレトールという特効薬がありますが、ふらつき、眠気などの副作用が強く、また長期間使用していると効き目が弱くなり内服量がどんどん増えてしまいます。根治にはやはり微小血管減圧術が必要となります。


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診療実績

 
【代表的疾病(上位5位)(平成28年度)】
順位
病名
患者数
1 高血圧性脳内出血 62
2 慢性硬膜下血腫 53
3 外傷性くも膜下出血 14
4 くも膜下出血 11
5 急性硬膜下血腫 10
 
【主要手術(上位5位)(平成28年度)】
順位
手術
件数
1 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 72
2 頭蓋内腫瘍摘出術 16
3 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 14
4 水頭症手術 13
5 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む) 9

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スタッフ紹介

医師名 専門分野 資格
部長 わだ あきら
和田 晃
脳動脈瘤手術
頚動脈手術
頭蓋内血管バイパス術
脳血管内手術
神経血管減圧術
良性・悪性脳腫瘍手術
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳卒中学会専門医
日本脳卒中の外科学会 技術認定指導医
身体障碍者福祉法第15条指定医
難病医療費助成制度における指定医
医学博士
医長 なかやま さだよし
中山 禎理
脳動脈瘤手術
頚動脈手術
脳血管内手術
良性・悪性脳腫瘍手術
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
医学博士
医員 やぶざき はじめ
藪﨑 肇
脳神経外科一般
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医
臨床研修指導医講習会修了
医員 よしやま ともみ
吉山 智美
脳神経外科一般

◎は、連携担当医師です

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