脳神経外科のご案内


特色・専門領域

  • 脳神経外科とは、いわゆる中枢神経(脳脊髄)と一部の末梢神経の疾患及び外傷を扱っている医学の分野で、診療科の一つです。脳腫瘍、脊髄腫瘍、脳卒中、頭部外傷、脊椎脊髄外傷、頭痛、神経痛、癲癇(てんかん)、脳神経の感染症などの治療を行っています。神経内科、耳鼻科、整形外科、精神科、眼科などと重なる分野もあり、協力して診断治療にあたる機会も多くあります。
  • 当科の特徴として、脊髄疾患も重点項目としております。これは、当科が欧米の脳神経外科“Neurosurgery”の概念同様、一般的にその分野の一つである“Spinal surgery”も扱っているからです。当院の整形外科も、脊椎外科を得意にしており、両科協力の上、運営しています。
  • くも膜下出血の治療でも、クリッピングだけでなく、脳血管内治療の選択肢も有しており、適宜対応できるようにしております。
  • 高気圧酸素治療室も当科で運営しております。なお、当科の常勤医は、全員「脳神経外科専門医」になっております。

脳卒中専門病棟(SU:Stroke Unit)

当院は、神経内科にも充実したスタッフがおり、脳血管障害センターとして、十分な機能を果たせる状況にあります。平成15年10月より、脳卒中専門病棟(SU)を開設し、神経内科とともに、より密な管理を開始いたしました。
※脳卒中専門病棟について、詳しくはこちらをご覧ください。→脳卒中専門病棟

当科の診療状況

  1. 院内他科との連携
    神経救急という側面から、神経内科、精神科、リハビリテーション科及び放射線科と連携しながら、365日の救急体制がとられています。
    主に、くも膜下出血や脳出血などの脳血管障害を扱い、脳梗塞については神経内科とともに診断治療を行っています。
  2. 医療連携
    当院の基本方針でもあるとおり、地域の病院、診療所との連携を緊密に図っており、急性期対応病院としての機能を十分に活用するため、療養型病床群の連携病院、リハビリ病院、当院同様の急性期病院等と連携しています。
  3. 脳血管内手術
    最近では、脳動脈瘤に対して、従来のクリッピング法だけでなく、開頭せずにカテーテル操作によって行うコイリングという方法が普及しつつあります。当院でも、吉田医師、中村医師を中心に、患者さんの症状に即した治療方法を選択して施行しています。
    昨年は24例の脳動脈瘤に対し、クリッピング術(開頭して動脈瘤の根元をクリップで完全に遮断する方法)18例以外に、コイル塞栓術6例を行いました。
  4. 血行再建術(バイパス術、内頸動脈内膜剥離術、ステント留置術)
    脳の太い動脈が完全に詰まってしまったり、非常に狭くなってしまった場合、血流が不足して脳梗塞を起こしたり、一時的に脳梗塞と同じような症状があらわれることがあります。こうした場合、頭皮の血管を脳内の血流が不足した血管につないだり(バイパス術)、狭くなった血管内側の部分を切除したり(内頸動脈内膜剥離術)、あるいは狭くなった部分に筒を入れて拡げる(ステント留置術)治療があります。当科では、積極的に血行再建術を行い、良好な結果を出しています。昨年はバイパス術と内頸動脈内膜剥離術が合わせて23例、ステント留置術が11例と、多くの患者さんを治療しています。特に一過性脳虚血発作と呼ばれる症状(急に手足に力が入らない、目が見えない、言葉が出ない、物忘れが出るなどの症状が短時間の間だけ起こる)があった方は、詳しい検査を行い、脳梗塞を予防する治療を受けることができます。 当科では、吉田、中村医師(ステント留置術)、徳永、望月医師(内頸動脈内膜剥離術)が担当しています。
  5. 脳腫瘍の集学的治療
    脳腫瘍には、良性のものと悪性のものがあります。良性腫瘍は外科的に大部分摘出することができ、すべて摘出できれば完全に治すことが可能です。悪性腫瘍は外科的に完全摘出が困難ですが、手術によりできるだけ多く摘出を行い、放射線治療や薬物治療を行うことで、有意義な生存期間を延ばすことが重要です。当科では、手術に際し高性能MRIを用いた術前の評価と、蛍光色素やナビゲーションシステム、運動や感覚のモニターなどを用いて後遺症を起こすことのない摘出を行っています。また、手術後の放射線治療や、遺伝子解析による薬物治療の選択(オーダーメイド治療)にも力を入れています。昨年は脳脊髄腫瘍34例の手術を行い、良好な結果を残しています。
  6. 高圧酸素治療室
    主に、減圧症、耳鼻科的疾患(突発性難聴、顔面神経麻痺)、一酸化炭素中毒、脊髄疾患、脊髄損傷等に用いられていますが、最近は、その他の有効な疾患にも応用しております。 十分なモニターを行いながら、多人数が同時に治療できる有効な第二種装置です。
  7. 微小血管減圧術
    顔面の激しい痛みをおこす病気に三叉神経痛があります。多くは脳の奥で三叉神経という顔の感覚を伝える神経と、小脳を栄養する血管が接触して起こるものです。ブロック注射や薬でもある程度の効果が得られますが、原因となる神経と血管の圧迫を、手術で離すことで完治が期待できます。手術は耳の後ろに小さな穴をあけるだけで行うことができ、1週間程度の入院期間です。また、顔面の痛みではなく、ひくつきを起こす病気があり、顔面けいれんといわれています。ボツリヌスという毒素をけいれんが起きている顔面に注射することで、一時的な消失が認められますが、多くはだんだん効果が薄れてきます。この病気の原因も三叉神経痛と同じで、手術により完治が期待できます。当科では、昨年手術を受けられた方全員が完治しています。
  8. 在院日数
    急性期対応病院として、前述のような連携システムを積極的にとることにより、当科の平均在院日数は20日前後となっています。これでも欧米の脳神経外科よりは長いのですが、患者さん・ご家族とコミュニケーションをとりながら、運営しています。

神経難病医療

  • 神経難病(パーキンソン病関連疾患、多発性硬化症、重症筋無力症、脊髄小脳 変性症、筋萎縮性側策硬化症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎 多系統萎縮症、モヤモヤ病、ミトコンドリア脳筋症シェーグレン症候群、皮膚筋炎・多発性筋炎など)は原因が解明されておらず、従って真に有効な治療法が確立できていない慢性疾患ですが最近はかなり有効な治療法が次々と確立されつつあります。
  • これらの難病にも積極的にチャレンジしています。また東京都の事業である介護しておられるご家族の都合による緊急避難的短期入院病床も確保してあります。
  • 難病は文字通り診断の難しい症例もあります。セカンドオピニオンとしての役目も果たしていきますので受診の相談をしてください。
  • 脳血管障害や神経疾患の患者さんに対し、専門的診療と高度医療機器による信頼性の高い医療を提供することが、地域医療の中での当科の役目であると認識し、診療にあたっています。願わくは地域の脳卒中の再発と発生が目に見えて減少することを期待して診療にあたっています。

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診療実績

 
【代表的疾病(上位5位)(平成27年度)】
順位
病名
患者数
1 慢性硬膜下血腫 42
2 くも膜下出血 35
3 脳振盪 26
4 挫創 24
4 内頚動脈狭窄症 24
 
【主要手術(上位5位)(平成27年度)】
順位
手術
件数
1 創傷処理 206
2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 54
3 小児創傷処理(6歳未満) 51
4 術中血管等描出撮影加算 21
5 鼓膜切開術 20

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スタッフ紹介

医師名 専門分野 資格
部長 わだ あきら
和田 晃
脳血管障害の外科的治療 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳卒中学会専門医
日本脳卒中の外科学会 技術認定指導医
医学博士
医長 もちづき ゆぶひと
望月 由武人
脳動脈瘤手術
神経血管減圧術
頚動脈手術
頭蓋内血管バイパス術(もやもや病、頭蓋内血管狭乍症)
重症頭部外傷手術
良性・悪性脳腫瘍手術
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会専門医
難病医療費助成制度における指定医(脳神経外科)
小児慢性特定疾病医療費助成にかかる指定医
AHA Healthcare Provider
医員 かわうち ゆうた
川内 雄太
脳神経外科一般
医員 かとう  ゆう
加藤 優
脳神経外科一般

◎は、連携担当医師です

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