精神科のご案内


特色

 荏原病院精神科は総合病院における数少ない有床精神科として、通常の外来診療やデイケアに加えて開放病棟での入院治療を行っております。また、リエゾン・コンサルテーション精神医療や緩和医療にも積極的に取り組んでおり、身体各科の医療が円滑に行えるよう、専門的ケアを提供しております。

 入院治療は、統合失調症、感情障害、不安障害などをはじめとする精神障害全般を対象としますが、開放病棟での入院となるため比較的軽症の患者さんが主となります。医師、看護師、心理士、薬剤師、精神保健福祉士などの豊富で多面的な人的資源に加え、各種の検査や治療に用いる高度な医療機器など、総合病院ならではの恵まれた医療資源を生かした、きめ細かいケアを目指しております。そのような医療を基本としてはおりますが、当科には豊富な臨床経験とノウハウが蓄積されており、重症の患者さんに対応することも可能です。また、総合病院という背景を生かした合併症医療も得意とする領域です。平均在院日数は1か月前後で、短期間での集約的な入院治療を行っております。外来治療は、入院治療と同様に広く精神障害全般を対象としますが、パーソナリティ障害、アルコール・薬物依存、発達障害、てんかん、小児の精神病など、特に専門性の高い分野については他の専門機関に紹介させていただくこともございます。あらかじめご承知おきいただけると幸いです。

 荏原病院精神科は、大田区における精神科医療の中心的施設の一つとして、地域の皆様の多様なニーズにお応えするよう、最大限の努力を続けて参ります。心の病で苦しんでおられる患者様、ご家族、地域のケア・プロバイダーの方からのご連絡をお待ちしております。


最近のトピック

2018/6
外国語(英語)での診療を開始しました。詳しくは以下の案内をご覧ください。
2018/7
日本精神神経学会が指定する精神科領域専門医研修プログラムにおける基幹病院になりました。
詳しくは東京医師アカデミーホームページをご覧ください。
(http://www.byouin.metro.tokyo.jp/academy/senior/list_course.html)

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精神科デイケアについて

 当院には、首都圏における総合病院には珍しく精神科デイケアが併設されており、地域の患者さんに理想的な治療環境を提供することが可能となっております。当院のデイケアは早期退院と社会復帰の促進を円滑に行うための精神科デイケアと位置づけられ、1日30人を限度とする小規模デイケアとなっております。
 詳細は、下記リンクより、ご案内、もしくはパンフレットのPDFをダウンロードしてご覧ください。

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外国語での診察について(English available on Tuesday and Thursday)

 火曜日と木曜日の新患のみ、英語での診察が可能となっております。予約センターにその旨をお伝え頂いたうえでご予約ください。外国語での診察が可能な医師は限られておりますので、診察まで多少お待ちいただくこともございます。あらかじめご承知おきいただけると幸いです。


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専門外来のご案内

    ○【脳梗塞・脳出血後のうつ病(Post Stroke Depression; PSD)専門外来について

     我が国において脳血管疾患は第4位の死因であり、毎年12万人前後の方が亡くなっています。しかし脳血管障害を発症する患者さんの多くは、幸いにして命を落とす事はありません。

     脳血管障害を罹患した患者さんたちが脳梗塞・脳出血後のうつ病(Post Stroke Depression; PSD)を発症することは一般にはあまり知られておりませんが、その数は非常に多く、軽いものを入れれば40%近くにのぼる患者さんが抑うつ状態になると報告されています。PSDを放置すると、うつ病それ自体によってQOL(生活の質)が大きく低下することに加え、リハビリなどに対する意欲も低下するため、長期的な予後(治療成績)が悪くなることが知られています。さらに、PSDが放置されて治療が適切になされないと、生命予後まで悪くなる(寿命が短くなる)ことも複数の研究で示されています。

     当科部長は日米で医師免許を取得し、PSDの診断や治療について 米国で10年以上にわたって臨床および研究に従事しており、これまでに国内外で多くの患者さんのケアをしてまいりましたが、このたび当院におきましてもPSDの専門外来を開始することといたしました。診療には時間を要するため多数の患者さんのケアは困難ですが、地域でPSDに苦しむ患者さんのために最大限努力したいと考えております。

     PSDと思われる患者さんのご家族の方、担当医の先生方、もしくは脳梗塞・脳出血後に“なんだが元気が出ない”“何もかも楽しめない”などと感じ、専門的な治療を希望しておられる方、是非当科にご相談ください。初診は毎週月曜日です。治療は多くの場合半年前後、その後は地域の医療機関にご紹介することになります。残念ながら現在の治療技法には限界がありますので、重篤な失語をもつ患者さんなど、お受けしかねる場合が稀にございます。ご理解いただけると幸いです。


    <Selected References>
    1. J Neuropsychiatry Clin Neurosci. 2010 Winter;22(1):75-84. Subgenual cingulate theta
     activity predicts treatment response of repetitive transcranial magnetic stimulation in
     participants with vascular depression. Narushima K, McCormick LM, Yamada T, Thatcher
     RW, Robinson RG.
    2.Br J Psychiatry. 2007 Mar;190:260-5. Effect of antidepressant therapy on executive
     function after stroke. Narushima K, Paradiso S, Moser DJ, Jorge R, Robinson RG.
    3.Repetitive transcranial magnetic stimulation as treatment of poststroke depression: a
     preliminary study. Jorge RE, Robinson RG, Tateno A, Narushima K, Acion L, Moser D, Arndt
     S, Chemerinski E.
    4.Am J Psychiatry. 2003 Jun;160(6):1157-62. Does cognitive recovery after treatment of
     poststroke depression last? A 2-year follow-up of cognitive function associated with
     poststroke depression. Narushima K, Chan KL, Kosier JT, Robinson RG.
    5.J Nerv Ment Dis. 2003 Oct;191(10):645-52. The effect of early versus late antidepressant
     treatment on physical impairment associated with poststroke depression: is there a time-
     related therapeutic window? Narushima K, Robinson RG.


    ○【クロザピン専門外来について

     当科では経験豊富な医師によって、治療抵抗性統合失調症に対する特別な治療薬として認可を受けているクロザピンによる治療を行っています。

     クロザピンは、近年増加傾向にある治療抵抗性の統合失調症の最終選択薬といわれています。治療抵抗性の統合失調症とは、(1)数種類の抗精神病薬を十分量・期間投与したにもかかわらず、効果が得られない反応不良症例、(2)錐体外路症状などの副作用発現により治療に必要な用量まで投与できない耐忍性不良症例――のことを言います。

     クロザピンは治療抵抗性統合失調症に対して高い治療効果を持ちますが、稀に重篤な副作用が生ずることが知られております。このリスクを避けるため、治療開始時に18週間の入院治療を行うことが定められています。また、クロザピンによる治療を受けるには事前にいくつかの条件を満たさなければならず、例えば糖尿病や血液疾患をお持ちの方は治療を受けられない可能性があります。なお、副作用の予防のため治療開始から26週は毎週、それ以降は隔週で採血を受ける必要があります。

     当外来はクロザピンによる特別な治療を希望される統合失調症の患者さんを対象としており、治療対象となるかどうかは担当医師が詳細な診察を行った上で判断します。どのような治療を受けてこられたかがクロザピンの治療が可能かどうかの重要な条件となりますので、これまで内服した薬剤の種類、量の情報(担当の先生からの紹介状やお薬手帳など)を用意したうえで受診をご相談ください。

    【参考】製薬会社による治療薬紹介
    http://www.clozaril.jp/

    ○【大人の発達障害外来について

     “大人の発達障害”の外来を始めました。
    当科では、地域からのご要望にお応えするために、経験豊富な“大人の発達障害”の専門家をお招きすることといたしました。
    “大人の発達障害”は、比較的新しい疾患概念であり、現在までのところ、その診断や治療は確立されているとは言えない状況にあります。
    ですから、“大人の発達障害“の診断を適切に下し、必要な支援につなげるためには、専門的な知識と技術が要求されます。
    当科では、発達障害に関する経験と知識の豊富な医師が、臨床心理士などと連携して、 地域で可能な限り良い支援を提供するための体制を整えました。

    専門的な診療には時間がかかりますので、月曜日午後に数名のみの診療となります。
    予約専用電話番号03-5734-5489にお電話いただき、“大人の発達障害”の外来希望、とおっしゃってください。
    大変恐縮ですが、診療情報提供書をお持ちでない初診患者さんにつきましては、 初診にかかる費用(保険外併用療養費)として別途「非紹介患者初診加算料」をご負担いただくこととなりますのでご了承ください。


    ○【デイケア初診外来について(地域の医療機関の先生方へ)

     当院デイケアの利用を希望される患者さんを募集しております。
     現在通院中の病院・クリニック・主治医を変更しなくても、デイケアのみの利用が可能です。デイケア利用開始前に一度だけ、毎週木曜の午前11時にデイケア担当医師が行うデイケア初診外来で評価を受けていただく必要があります。
     ご予約の際は、主治医より、地域連携室(03‐5734‐7027)に“デイケア初診外来希望”とおっしゃっていただければ、優先的に予約をお取りします。また、デイケア担当医宛ての簡単な紹介状の作成をお願いいたします。患者ご本人様が予約をお取りになる場合は、予約センター(03‐5734‐5489)までお電話ください。
     デイケアの詳細につきましては、上記、「精神科デイケアについて」をご覧ください。

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診療実績

【入院・外来別患者数(平成29年度)】
入院患者 6,458名(延入院患者数)
外来患者 新患 365名
再来 8,644名
【デイケア利用者数(平成29年度)】
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 合計
開設日数 16 16 18 16 15 16 17 15.1 16 15 15 18 193.1
利用者数 44 44 45 42 41 41 40 42 41 39 40 41 500
のべ利用者数 231 239 287 227 222 255 247 224 260 223 218 257 2,890
のべ見学者数 3 7 1 7 5 3 5 5 3 2 2 6 51
 
【代表的疾病(上位5位)(平成29年度)】
 
順位
病名
患者数
1 認知症 57
2 統合失調症 50
3 うつ病 18
4 不安障害 12
5 知的障害 12

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スタッフ紹介

医師名 専門分野 資格
◎部長 なるしま けんじ
成島 健二
臨床精神医学一般
感情障害
精神保健指定医
精神神経学会精神科専門医・指導医
総合病院精神医学会 リエゾン精神医学 専門医・指導医
医師会認定産業医
厚生労働省臨床研修指導医
医学博士
東京医科歯科大学臨床教授
米国アイオワ州医師免許
アメリカ精神医学会 インターナショナルフェロー
医長 みつさだ ひろお
光定 博生
臨床精神医学一般 精神保健指定医
精神神経学会精神科専門医・指導医
総合病院精神医学会 リエゾン精神医学 専門医・指導医
厚生労働省臨床研修指導医
緩和医療学会 精神腫瘍学指導者
医長 いわた よしお
岩田 愛雄
臨床精神医学一般
緩和医療
精神保健指定医
緩和医療学会 精神腫瘍学指導者
医員 いしづや あさみ
石津谷 麻美
臨床精神医学一般
デイケア
精神保健指定医
精神神経学会精神科専門医・指導医
医師会認定産業医
医員 ふくしま やすひろ
福島  康浩
臨床精神医学一般
老年精神医学
精神保健指定医
精神神経学会精神科専門医・指導医
医員 かねこ ゆうじ
金子  裕嗣
臨床精神医学一般 日本精神神経学会精神科専門医
シニア
レジデント
くりやま かずこ
栗山 和子
臨床精神医学一般

◎は、連携担当医師です

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