病院長あいさつ

 平成29年4月1日

   くろい かつまさ
院長 黒井 克昌
1 病院のご紹介

 荏原病院は1898年(明治31年)に世田谷に伝染病の病院として開設された長い歴史ある病院で、1934年(昭和9年)に現在の敷地に移転し、都立の総合病院へと発展してきました。1994年(平成6年)に新築して現在の姿になりましたが、玄関待合のステンドグラス、病院内の随所に使われている大理石、大きな窓や光庭などによる地下1階まで陽光溢れる院内環境などにより、築後20数年を経た今も機能性と斬新さを保つ魅力あふれる病院となっています。
 2006年(平成18年)に東京都保健医療公社に移管されてからは、“医療で地域を支える”を合い言葉に、地元の田園調布地区を中心に、城南地区の大田区・品川区・世田谷区・目黒区の地域医療を担う病院として、各地区の医師、歯科医師と連携しながらそれぞれの患者さんのニーズに合わせた高度な医療を提供する役割を担っています。さらに、2009年(平成21年)に「地域医療支援病院」の指定を受け、かかりつけ医からの紹介とかかりつけ医への逆紹介を行う体制を強化しました。

2 地域医療を支援する病院としての特徴

 当院は、急性期医療において、地域医療機関と連携しながら、主に二次医療機能を担う病院としての役割を担っています。中でも救急医療、脳血管疾患医療、集学的がん医療について重点的に取り組んでいます。また、総合病院として多彩な医療機能を有しており、救急医療、高気圧酸素治療、総合脳卒中センター、認知症疾患医療センター、認知症疾患医療センター、緩和ケア、感染症内科は特色ある機能となっています。

  • ① 救急医療
    当院は入院を要するような救急疾患を扱う二次救急医療機関に指定されており、年間4600台を超える救急車を受け入れて地域の救急医療を支えています。
  • ② 高気圧酸素治療
    専用装置を用いて高い気圧のもとで酸素吸入を行治療法です。血液内に溶け込む酸素量の増大を図ることができ、一酸化炭素中毒、突発性難聴、網膜血管閉塞症、放射線性壊死などの多種多様な病気に有効です。実施する施設が限られているために、当院は国内の広範囲の医療機関から依頼を受け、年間4000件以上の治療を行っています。
  • ③ 総合脳卒中センター
    神経内科・脳外科・放射線科・リハビリ科など多くの診療科が緊密な協力体制をとりながら、専門病床であるSCU(Stroke Care Unit)6床を活用する脳卒中急性期の集中治療から、回復期のリハビリテーション、在宅復帰後の再発予防に至るまで、脳卒中の患者さんを総合的に治療しています。
  • ④ 認知症疾患医療センター
    超高齢社会の訪れで増加が懸念される認知症に対応するために、平成24年に都知事からの指定を受けて開設し、「認知症(もの忘れ)外来」や「認知症相談窓口」を設置しています。認知症の方は身体合併症も多く、入院が必要なときは院全体で随時対応して入院治療を行っています。院外においても、講演会などを通じた啓発活動や「アウトリーチ」と呼ばれる早期発見・早期診断の取り組みに貢献しています。
  • ⑤ 感染症内科
    当院は伝染病の病院としての長い歴史と伝統をもち、多くの感染症に対応できる主要な病院の1つで、全国に46病院ある第一種感染症指定医療機関になっています。
3 今後の取り組み

 わが国は今、世界の歴史に類のないスピードで人口構成の高齢化が進んでいます。団塊の世代が75歳を迎える2025年までに、総人口が減少に転ずるとともに、65歳以上の高齢者の割合が24%から30%まで増加すると予想され、“2025年問題”と呼ばれています。国と各医療機関はこの困難な課題に対処するため、医療と介護の仕組みの変革に取り組もうとしています。当院では、このような医療ニーズの変化に適切に対応するため、高度急性期の集中治療と急性期の診療体制を維持しつつ、退院後の在宅医療への移行を支援するため、地域包括ケア病棟の機能を強化していきます。また、訪問診療・訪問看護によって在宅医療を支援する地域の訪問ステーションとの連携も進めてまいります。
 同時に、がんを始めとする重い病気の患者さんやそのご家族の身体や心にもたらされる様々なつらさを和らげ、より豊かな人生を送れるように支えていく取り組みとして、緩和ケアの充実にも取り組みます。一方で、妊娠出産や小児医療に関わる産科と小児科の機能を堅持して少子化対策の面からも地域の医療を支えてまいります。

 以上のように、当院は、地域の医療を支援すべく職員一同が一丸となって取り組んでいきたいと考えています。地域の皆様のご理解とご支援を心からお願いして院長のあいさつとさせていただきます。

 院長 黒井克昌

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